雨音


雨音
直径50mm、30p
円形アコーディオン製本
表紙、糸:藍の生葉染め 本文 白箔押し、銀箔押し装飾
2022年〜制作、限定20部
ぽつん。ぱらぱら。
雨の降り出したのを知るのは、いつもその音から。
葉っぱに当たった最初の一滴、次第に屋根を叩く音、水たまりの撥ねる音。
見えない雨を思う時、人は音を聞く。
育った家の玄関先には、雨樋から延びる鎖樋が地面まで設えてあって、子どものころ、そこを伝う雨を眺めるのが好きだった。透明な雨と金属とが合わさって聞こえてくる、さまざまな音色にいつまでも耳を傾けていた。
雨の日の窓辺が楽しくなるような日本語のオノマトペを集めて、鎖樋のようなオーナメントを作った。
見えないはずの雨を形にしようと、音を聞こうとしてきた昔の人の営みに思いを馳せて。


