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ワークショップ「手製本でつくる新しい年の本革手帳」

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横浜市民ギャラリーでのワークショップのお知らせです。

昨年も開催して好評だった手帳を作る講座を、今年は革を素材に仕立てます。
だんだんと表情が変化していく革の手帳。新しい年の相棒となる手帳をご一緒に、つくりましょう。


「手製本でつくる新しい年の本革手帳」

2017年 11/26 [日] 13:00~16:30

古くからヨーロッパに伝わる“手製本”をご存じですか?
大量生産のための製本とは異なり、手作業の積み重ねによって紙の束を1冊の本に仕立てていく技術で、製本工芸とも言われます。

紙を糸で綴じる手作業にじっくりと取り組み、 あたらしい年に向けたあなただけの手帳をつくってみませんか?
今回は、数種類の紙を自由に組み合わせ、表紙に牛ヌメ革を用いて「ロングステッチ」という技法で仕上げます。
*A6サイズの手帳を一人1冊つくります。

  • 対象 15歳以上
  • 定員 20名(応募多数の場合は抽選)
  • 参加費 5,500円(材料費込)
  • 申込締切 11/4(土)必着 ※締切後、当選の連絡を受けた方が講座に参加できます。
  • お申し込みはこちら
2017-10-17 | diary, 制作日記

工房からの風を終えて

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工房からの風、二日間無事終了しました! 

雨という紙作品には過酷な状況でしたが、たくさんの方にじっくりとご覧いただき、お話できて、充実した時間でした。
庭を背景に見る庭の本、よい風景でした。
この二日間に向けて歩いてきた半年あまり、その過程も含めて次に繋がる糸が結ばれていくといいな。

お越しいただいた方々、気持ちを寄せていただいた方々、たくさん助けてくれた家族や友人たちに、心から感謝します。

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10/14,15「第15回 工房からの風」に出展します

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この秋は、大きな挑戦がひとつ。
先のプレイベントの際にもお知らせしましたが、
千葉・本八幡のニッケコルトンプラザで開催の野外クラフト展「工房からの風」に出展します。
春に出展が決まってからの約半年間、仕事を見つめ直す日々でした。
作品として、手製本を作るとは、何を伝えたいのかを、たくさんたくさん考えました。
その思いは、こちらにご紹介いただいています!director’s voice 出展者紹介→
すこやかで美しいお庭と、手の仕事が響き合う、稀有な空間。
そこに立つことを、緊張しつつもとても楽しみにしています。
ぜひ、ご来場ください。


「第15回 工房からの風」craft in action
 2017/10/14(土)、15(日)  

 ニッケコルトンプラザ屋外会場(千葉県市川市鬼高1-1-1)
 10:00〜16:30
 陶磁、ガラス、染、織、布、木、金属、革…
 全国から集う70名(工房)の工芸・手仕事の展示販売とワークショップ

 http://www.kouboukaranokaze.jp

2017-09-10 | diary, 制作日記

吉田周平さんに写真を撮ってもらったこと

少し前のことになりますが、写真家の吉田周平さんに、企業広報誌の取材で撮影いただきました。
吉田さんとの繫がりは、二年ほど前、写真集を制作するご相談を受けたことから始まり、それ以来、ウェディングアルバムを手製本で制作させていただいたり、個人的にも家族の撮影をしていただいたりとご縁が続いています。
柔らかな光の、透明な空気をまとったその写真は、幸福感に溢れていて、被写体の善きものあたたかなものを掬いとってくれているかのようです。

そんな個人的にも大好きな写真家さんに、お仕事でアトリエの風景を撮影いただきました。
最近は時折雑誌の取材もありますが、その中でもやはり、とても幸せな時間でした。
日々こつこつ作業する小さなアトリエを、こうして写していただいて、自分のささやかで大切な場所を、再確認する思いです。

吉田さんにご承諾いただき、ここに写真を掲載いたします。
吉田周平さんのホームページはこちら。
http://www.shuheiyoshida.com/

 

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「旅の思い出を本に綴じる」ワークショップ:工房からの風プレイベント

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毎年10月に千葉・本八幡で開催される野外クラフト展「工房からの風」。
全国から集った手仕事の作り手が、会場を訪れる人々と豊かに繋がっていく、気持ちのよい風の起こる場所です。
その15回展となる今年、縁合って出展の機会をいただきました。
生活の中にある手仕事としての製本、をどうお伝えできるか……目下制作中です。

そして9月の連休に、工房からの風のプレイベントとして「旅の本」をつくるワークショップを開きます。
夏のあいだ、旅へ出かけた方も多い事と思います。
旅をともにした地図や切符、思い出がつまった紙たちを針と糸で本へと仕立てます。
ギャラリーらふとさんの気持ちのよい秋の庭で、手製本の時間をご一緒しましょう。
お申し込みはギャラリーらふとさんのホームページから。(他のお二方の会もとても魅力的です!)


9/18 (月祝) 「手製本ワークショップ 旅の思い出を本に綴じる」

講師:空想製本屋
10時半~13時
定員:6名様 会費:3500円
お申し込み:ギャラリーらふとお申し込みフォームへ

今年度工房からの風出展の製本家、
空想製本屋・本間あずささんによるワークショップを開きます。
空想製本屋さんが取り組まれているテーマのひとつ、「旅の本」。
さまざまな国や街の古い地図やガイドなどをオリジナルに編集し、
一冊に仕立てていらっしゃいます。
ページごとに風合いのことなる紙の手触りも楽しく、本を開く度に発見がありそうです。

今回のワークショップでは、ご自分の「旅の本」を作ります。
旅を共にした地図、行き先が記されたチケット、
はっとした瞬間をおさめた写真に、心踊るお菓子の包み紙、きれいな木の葉…
大切な思い出として手元にお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
そんな旅のかけらを、糸で綴じ合わせ一冊に仕立てます。
自分だけの「旅の本」を開けばいつでも記憶の旅に出かけることができるでしょうか。
紙が本のかたちになる工程を空想製本屋さんが丁寧に教えてくださいます。
手製本がはじめての方も大歓迎です。

・持ち物・
筆記用具、旅先で集めた地図やパンフレット、切符、チケットなど5〜6種類(A5サイズまで)

 

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2017-06-13 | diary, お知らせ

holo shirts.さんの生地作り

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オーダーメイドシャツ屋holo shirts.さんによる、オリジナル生地制作のクラウドファンディング企画が進行中です。

こちら!→https://camp-fire.jp/projects/view/28357?utm_source=cf_widget&utm_medium=widget&utm_campaign=widget

店舗を持たずに、オーダーから制作までお一人で手がけるholo shirs.さん。
普段は全国各地を飛び回って、シャツの受注会を開いています。
お客様一人一人に合わせて細かに採寸をし、その方のライフスタイルや好みをお聞きし、一緒に理想のシャツの形を探してゆくというスタイルで、丁寧なシャツ作りをされています。

空想製本屋とのつながりは、シャツのハギレから。ハギレを分けていただいて「はしばしノート」を制作したり、個人的にもシャツ地のTシャツをオーダーさせていただいたりしています。
本とシャツという異なるものながら、holo shirts.さんのシャツ作りには、空想製本屋のオーダーメイド手製本にも通じる思いがあるなと常々感じています。

量販店や大きなブランドでは、もっと簡易で求めやすいオーダーシャツもあるに違いありませんが、お一人で、小さな規模だからこそできるお客様との深いコミュニケーションが存在し、じかに顔を見てシャツを作り上げていく過程にも、満足感があると思うのです。

出来上がったシャツの丁寧な手仕事、心地よさはもちろんのこと。

そんな、小さな仕事をこつこつと深められてきたholo shirts.の窪田さんが、今大きな挑戦をされています。
オリジナルチェック生地の本生産に向けて、クラウドファンディングが進行中なのです。

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織物の開発には、大きなコストがかかり、個性的な柄の織物が世に出にくくなっているとのこと。また小さなブランドではたくさん作っても生地を使い切れないというのです。
それならば、本生産前に生地が欲しい人を募り、生地を独占せずに「みんなのチェック」として購入していただこうという試み。

チェック生地そのものはもちろん、ハンカチや、シャツ、シャツ地のTシャツ、生地を使ったワークショップや工場見学など、リターンも様々用意されています。
空想製本屋では、このリターンのひとつとして、布張りのノートを制作させていただきました。

B6判を少し縦長にした使いやすいサイズで、本文紙には「バンクペーパー」という、張りのある上質な筆記用紙を用いています。その名が示す通り、銀行の帳簿などに使われていた紙で、「three diamonds(三菱)」と透かしマークが入っています。万年筆との相性も抜群。

布を裏打ちし、紙を折り、穴を開け糸で綴じるところまで、もちろん一冊一冊すべて手作業です。
背には、チェック生地の色からとった鮮やかな青の綴じ糸を見せています。

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判型:125×184ミリ B6変形
頁数:64p
本文紙:バンクペーパー B判73kg
見返し:ビオトープ ワインレッド90kg
綴じ糸:青麻糸
綴じ方:ステッチ中綴じ、背あり

小さなブランドの上げる小さな声が、じわじわと共感を呼んで広がってきています。
やがて大きな流れになり、今後の生地開発の一つのモデルになるのかもしれません。

ご自身の仕事のみならず業界全体の先を見据えた、holo shirts.さんの小さいけれど大きな意味を持つ、一歩。
同じ個人事業主として、生地好きシャツ好きとして、この試みを応援しています。

クラウドファンディングは6/25 23:59まで。
あと2週間ほど。気になる方はぜひサイトをじっくり、読んでみてください。

 

 

 

「オリジナルノートをつくろう」たまら・び@ISETAN TACHIKAWA

 

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ワークショップとイベント参加のお知らせです。

場所は、伊勢丹立川店さん。
けやき出版さんの刊行する「たまら・び」No.95の特集「オーダーメイドしよう。」とのコラボイベントです。
この特集の巻頭に、「ちょっと不思議なオーダーメイド」として、空想製本屋の手製本を掲載させていただきました。
フェア期間中には、たまら・びに掲載の、木製めがね、前掛け、シャツ、腕時計などなど、多摩地域の素敵なお店が伊勢丹立川店に登場するそうです!

空想製本屋は4/23(日)に、ワークショップと製本作品の展示販売をさせていただきます。
「庭の本」や「本の庭」、「はしばしノート」を並べて、お待ちしています。
ワークショップでは、様々な紙の組み合わせを選び、糸で綴じて仕立てるオリジナルノートを作ります。
オーダーメイドの気分も味わえるノートを手製本でご一緒に作りましょう。


「オリジナルノートをつくろう」

様々な色や質感の紙を自由に組み合わせ、表紙を選び、針と糸で綴じて仕立てるノートをつくります。
ばらばらの紙が綴じ合わされて本へと変わる手製本の楽しさを、体験いただけます。
包装紙やカード等、お持ち込みの紙を一緒に綴じることもできます。
表紙は豪華版の布貼り。様々な色・柄の布を、こちらでご用意した中からお選びいただけます。
(オーダーメイドシャツ屋holoshirts.さんのシャツのハギレも使わせていただけることになりました!)

手のひらにのる、A7サイズ(105×74ミリ)ながら、手製本の醍醐味がぎゅっとつまったノートです。

日時:4/23(日)
  ①10時〜 ②13時〜 ③16時〜 (所要1時間半)
定員:各回6名
場所:伊勢丹立川店2階ギャラリースクエア(東京都立川市曙町2-5-1)
参加費:3,240円(材料費込み)
お申し込み:4/12(水)10:00より受付。
      空想製本屋宛メール info@honno-aida.com に、お名前、ご連絡先、ご希望の回を添えてお申し込みください。
      または伊勢丹立川店店頭 042-548-2277 にて承ります。

 

絵本「うさぎまでのおさらい」

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井上奈奈さんのあたらしい絵本「うさぎまでのおさらい」(ビーナイス刊)の製本監修を、縁合って空想製本屋がさせていただきました。
作家が紡いだ物語をリソグラフ印刷で丁寧に刷り、糸かがり手製本をした、様々な方々の手が結集して出来上がった一冊です。
手工芸的な製本は、部数を多くつくることができません。それゆえ、商業出版の製本にお声掛けいただくことは、貴重な機会でした。
今回はもともと、比較的簡易な中綴じか平綴じの構造で作りたいとのご希望でした。
しかし、私が受注を受けて一冊ずつ作ると、時間も費用も必要で、販売する本の価格に見合う事がなかなかできません。
それならば、製本の方法をご提案して、「みんなで」作ろう!となったのでした。
ワークショップ形式で製本を教えながら、売り物の本を作る。
教わる人の楽しみを満たしつつも、質を保った本を作らねばなりません。(もちろんのこと!)
初めての試みでしたが、出版社のビーナイスさんがあっという間に、作業の参加者を集めてくださったのでした。
2日間で、のべ15名の方が参加してくださいました。

作家の井上さんや、会場も提供してくれた中野活版印刷店さん、デザイナーさんや、イラストレーターさん、元々本に関わる人たちも多かったせいか、作業は順調に進み、最初の心配をよそに、2日間で100冊を無事に仕上げることができました。
初めて製本をする方々に対して、質を求めるというのは酷な気もしていたのですが、みなさん「きれいな本を作ろう!」という気持ちが高く、楽しみながら作業していただけたので安心しました。
ソフトカバー装、中綴じの糸かがりといっても、量産本のそれとは異なる、細部のつくりにこだわった造本となるよう、
手だからこそできることを大切に、努めました。
5つ目綴じ、チリをつくったこと、表紙のがんだれ、手に持ったときの柔らかさ、などなど、丁寧に手で作ったからこその本の息づかいが、そこにはきっと宿っているはずです。

こちらの本は、荻窪・Titleさんでの井上さんの展示「うさぎ、くま、わたし、泣く」で販売をします。
前作の「くままでのおさらい」(こちらは美篶堂さんによる、美しい上製本、そしてリソグラフ印刷です)とともに、その世界感をぜひご覧ください。
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2017年4月6日(木)ー 2017年4月23日(日)
Title 2階ギャラリー
12:00 – 21:00 水曜・第三火曜休み 
*イベント開催日(4月10日・21日)は18:00にて終了 最終日23日は19:00にて終了

きみとわたしのさかいめは どこだろう?
綴じられているのは、祈りにも似た「やさしさ」が紡いだ物語。——–

昨年秋、ビーナイスより美篶堂手製本の特装版とハンディ版にて同時刊行された、絵本『くままでのおさらい』。この春、スピンオフ作品として製本監修に空想製本屋を迎え『うさぎまでのおさらい』が新たに生まれます。展示では、2つの物語の間を行きつ戻りつ、一冊一冊丁寧に紡がれた本の世界をお楽しみください。

*展示期間中、『うさぎまでのおさらい』(糸かがり手製本)が会場限定で販売になります。

*展示期間中の4月10日、TALK EVENT「本を作るということ」を開催します。こちらのページよりお申し込み下さい。http://www.title-books.com/event/2620

展示協力:ビーナイス  中野活版印刷店

「本の庭、庭の本」

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「本の庭、庭の本」MONONOME PRESS from 空想製本屋
2017年2月3日[金] – 2月20日[月]at  circle [ gallery & books]

OPEN 12:00 – 19:00 (CLOSE:火・水・木曜日)
作家在廊日:2月5・12・19・20日

移り行く季節を本にして表現したい。
そう願いながら、庭の草木で紙や糸を染め、四季の言葉を編み
手製本リトルプレス「庭の本」を制作してきました。
この度、二年にわたる試みが「庭の本 冬」の刊行をもって完結します。
草木染めの写真や手製本の工程、季節の詩歌、
春夏秋冬の「庭の本」が出来上がるまでの過程を展示し
circleにて、本からなる庭を開きます。

あわせて、庭の本の制作過程を収めた写真集も展示販売いたします。

早春の本の庭へ、どうぞお越しください。

編集協力/そらみつ企画 写真協力/スズキ チヒロ(ズアン課)


【関連イベント】 ワークショップ 「庭の採集帖をつくる」

circleのある「やぼろじ」内の草木で染めた糸を使って、拾った草花を貼り付け、飾っても楽しめる採集帖を手製本でつくります。

南天の枝葉で草木染めした糸(淡い黄色に染まるのです)を綴じ糸に用い、台紙を針と糸でかがります。
複雑に見える綴じ方ですが、基本に少しアレンジを加えるだけ。初めての方でも大丈夫です。

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日時:2月12日[日]

1部/11時00分~13時30分
2部/14時30分~17時00分
参加費:3,500円(1ドリンク付き)
定員:各回5名(要予約)

ご予約はメールにて承ります。
件名を「庭の本ワークショップ参加希望」とし、本文にお名前・電話番号・人数をご記入の上、shop@circle-d.meまでお送りください。
参加者には折り返し詳細をメールいたします。


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国立市谷保5119 やぼろじ内 TEL 042-505-8019
□JR南武線谷保駅北口より徒歩5分
□JR中央線「国立駅」南口よりバス10分、
※京王バス「国17・国18」乗り場、
停留所「国立府中インター入口」から徒歩2分


個展開催にあたって、長い前書き。

二年ほど前から、お客様の本や依頼された本を作るというそれまでの受注制作とは別に、
空想製本屋自ら企画、そしてもちろん手製本で制作するリトルプレス MONONOME PRESSをはじめました。
作品として本を作り、そして販売する、というのは実は初めてのこと。
その最初のテーマとして選んだのは、草木でした。

生まれ育った地が陶芸の町だったこともあり、自然物を活かして制作をする、工芸やクラフトというものに、ずっと馴染んできましたし、憧れてもいました。
私が生業として選んだ手製本は、手仕事には違いないけれど、「本」という、人の思索が詰まったものを素材とします。
工芸や、クラフトの一部ではあるかもしれないけれど、その内容を尊重する分、完全なる工芸、製本家の作品とは言い切れないとずっと思ってきました。
本は内容ありきのものだというのは今でももちろん前提にしていて、中身のない本は作りたくないし、本のかたちを考える際にも、内容を自然に体現できるような形を目指しているのには変わりありません。
けれど、
自然から素材をもらって、それを活かして日用に適う、そして美しいものを作る、ということが手製本でもできないか、という思いは、
受注制作の仕事が充実していくにつれ、濃くなってゆきました。
庭のあるアトリエに越してしばらく経った頃、ここでなら、やりたかったことができるのかもしれない、と思ったのでした。

自然と手が結びあって出来上がる本、土から生まれ、土に還る本を、作ってみたいと。
前後して、ワークショップを通して草木染めの魅力を知ったり、力強い編集の助っ人がみつかったりと、長年あたためていた思いが熟していたのかもしれません。
そんなわけで、MONONOME PRESSの「庭の本」は生まれました。

そらみつ企画さんが素晴らしい短歌や俳句、詩を選んでくれました。
平安の時のなかにも、100年前にも、そして今にも同じ季節を過ごし、同じ感覚を味わっているわたしたちがいるのだということ。
そう実感させてくれる言葉との出会いがいくつもありました。
庭の本の写真は、ズアン課のスズキさんがアトリエに通って、撮ってくれました。
自然の光の美しさにはっとする、素敵な写真です。
スズキさんは、展示で販売する写真集のデザインもしてくれています。

四季を通して庭の本を制作する中で、私自身、もちろん細やかな季節の変化に敏感になりましたし、
カレンダー的なコマ割の時間の流れから、
季節は、時間は、帯状に、ひとつづきに、流れてゆき、互いの季節が互いを内包するようにして、
抱え合っているんだなと実感するようになりました。そして自分もその一部なのだと。

そんなことを、庭の本を手に取って読んだ方が、感じてくれたら嬉しいなと思います。
庭の本が本になるまでの過程も、展示ではお見せするつもりです。

これが、ほんとうに工芸、クラフトと言えるのか?はなんだか作り終わったらどうでもいいことのような気がして、
自然の素材を用いて、手を通して出来上がった本に触れて、気持ちいいと感じてもらえたらそれでいいとも思います。

これまでは人の書いた本ばかり作ってきましたが、今回が、作品としての空想製本屋の、MONONOME PRESSの初個展ということになります。

会場は、緑に囲まれた、国立・谷保のcircleにて。庭の本のお取り扱い店でもあります。
訪れるだけで気持ちのよい場所です。
敷地内には食堂もあり、きっとゆっくりしていただけると思います。

展示期間中は、日曜、またその他も時間ができたら在廊する予定です。
お越しいただける皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

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