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2017-01-12

「本の庭、庭の本」

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「本の庭、庭の本」MONONOME PRESS from 空想製本屋
2017年2月3日[金] – 2月20日[月]at  circle [ gallery & books]

OPEN 12:00 – 19:00 (CLOSE:火・水・木曜日)
作家在廊日:2月5・12・19・20日

移り行く季節を本にして表現したい。
そう願いながら、庭の草木で紙や糸を染め、四季の言葉を編み
手製本リトルプレス「庭の本」を制作してきました。
この度、二年にわたる試みが「庭の本 冬」の刊行をもって完結します。
草木染めの写真や手製本の工程、季節の詩歌、
春夏秋冬の「庭の本」が出来上がるまでの過程を展示し
circleにて、本からなる庭を開きます。

あわせて、庭の本の制作過程を収めた写真集も展示販売いたします。

早春の本の庭へ、どうぞお越しください。

編集協力/そらみつ企画 写真協力/スズキ チヒロ(ズアン課)


【関連イベント】 ワークショップ 「庭の採集帖をつくる」

circleのある「やぼろじ」内の草木で染めた糸を使って、拾った草花を貼り付け、飾っても楽しめる採集帖を手製本でつくります。

南天の枝葉で草木染めした糸(淡い黄色に染まるのです)を綴じ糸に用い、台紙を針と糸でかがります。
複雑に見える綴じ方ですが、基本に少しアレンジを加えるだけ。初めての方でも大丈夫です。

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日時:2月12日[日]

1部/11時00分~13時30分
2部/14時30分~17時00分
参加費:3,500円(1ドリンク付き)
定員:各回5名(要予約)

ご予約はメールにて承ります。
件名を「庭の本ワークショップ参加希望」とし、本文にお名前・電話番号・人数をご記入の上、shop@circle-d.meまでお送りください。
参加者には折り返し詳細をメールいたします。


circle 

国立市谷保5119 やぼろじ内 TEL 042-505-8019
□JR南武線谷保駅北口より徒歩5分
□JR中央線「国立駅」南口よりバス10分、
※京王バス「国17・国18」乗り場、
停留所「国立府中インター入口」から徒歩2分


個展開催にあたって、長い前書き。

二年ほど前から、お客様の本や依頼された本を作るというそれまでの受注制作とは別に、
空想製本屋自ら企画、そしてもちろん手製本で制作するリトルプレス MONONOME PRESSをはじめました。
作品として本を作り、そして販売する、というのは実は初めてのこと。
その最初のテーマとして選んだのは、草木でした。

生まれ育った地が陶芸の町だったこともあり、自然物を活かして制作をする、工芸やクラフトというものに、ずっと馴染んできましたし、憧れてもいました。
私が生業として選んだ手製本は、手仕事には違いないけれど、「本」という、人の思索が詰まったものを素材とします。
工芸や、クラフトの一部ではあるかもしれないけれど、その内容を尊重する分、完全なる工芸、製本家の作品とは言い切れないとずっと思ってきました。
本は内容ありきのものだというのは今でももちろん前提にしていて、中身のない本は作りたくないし、本のかたちを考える際にも、内容を自然に体現できるような形を目指しているのには変わりありません。
けれど、
自然から素材をもらって、それを活かして日用に適う、そして美しいものを作る、ということが手製本でもできないか、という思いは、
受注制作の仕事が充実していくにつれ、濃くなってゆきました。
庭のあるアトリエに越してしばらく経った頃、ここでなら、やりたかったことができるのかもしれない、と思ったのでした。

自然と手が結びあって出来上がる本、土から生まれ、土に還る本を、作ってみたいと。
前後して、ワークショップを通して草木染めの魅力を知ったり、力強い編集の助っ人がみつかったりと、長年あたためていた思いが熟していたのかもしれません。
そんなわけで、MONONOME PRESSの「庭の本」は生まれました。

そらみつ企画さんが素晴らしい短歌や俳句、詩を選んでくれました。
平安の時のなかにも、100年前にも、そして今にも同じ季節を過ごし、同じ感覚を味わっているわたしたちがいるのだということ。
そう実感させてくれる言葉との出会いがいくつもありました。
庭の本の写真は、ズアン課のスズキさんがアトリエに通って、撮ってくれました。
自然の光の美しさにはっとする、素敵な写真です。
スズキさんは、展示で販売する写真集のデザインもしてくれています。

四季を通して庭の本を制作する中で、私自身、もちろん細やかな季節の変化に敏感になりましたし、
カレンダー的なコマ割の時間の流れから、
季節は、時間は、帯状に、ひとつづきに、流れてゆき、互いの季節が互いを内包するようにして、
抱え合っているんだなと実感するようになりました。そして自分もその一部なのだと。

そんなことを、庭の本を手に取って読んだ方が、感じてくれたら嬉しいなと思います。
庭の本が本になるまでの過程も、展示ではお見せするつもりです。

これが、ほんとうに工芸、クラフトと言えるのか?はなんだか作り終わったらどうでもいいことのような気がして、
自然の素材を用いて、手を通して出来上がった本に触れて、気持ちいいと感じてもらえたらそれでいいとも思います。

これまでは人の書いた本ばかり作ってきましたが、今回が、作品としての空想製本屋の、MONONOME PRESSの初個展ということになります。

会場は、緑に囲まれた、国立・谷保のcircleにて。庭の本のお取り扱い店でもあります。
訪れるだけで気持ちのよい場所です。
敷地内には食堂もあり、きっとゆっくりしていただけると思います。

展示期間中は、日曜、またその他も時間ができたら在廊する予定です。
お越しいただける皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

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