文化人類学者、山口昌男をご存知でしょうか。
学生時代に一度は読んだという方も多いのでは。
大学時代のゼミ同期でもある、写真家の友人と本を作っています。
15年ほど前、今福龍太ゼミ有志で当時大学の近くにあった、山口昌男先生の自宅書庫の整理をしました。
その際の書棚を収めた写真と、著作からの引用を合わせて、山口昌男宇宙を一冊の本として体現しようという試みです。
造本やレイアウトにも様々な仕掛けをしていて、身体性を持った本の在り方を問いかける本、となっています。
手製本にて100部限定の制作。
来月、出版記念展を荻窪のTitleさんで行います。
たくさんの方に、図書館分類から遠く離れた、縦横無尽な山口昌男の書棚の世界、氏の思想世界に触れていただけたら嬉しいです。
個人的には、長い時を経て、大学時代の記憶を掘り起こし、始まりに還るかのような制作の時間を過ごしています。
大学の専門の語学からはドロップアウトしてしまったけれど、
このゼミに出会えていなかったら、今も製本の仕事を続けているか分かりません。
当時から、本を通じて出会ったすべての人に感謝を込めて、
手を動かします。
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『山口昌男・本の迷宮 | The Labyrinth of Books』
出版記念展
ー書棚の彼方の祝祭のくにへー
2021. 7. 2(金) – 7. 19(月) 12:00 – 19:30(日曜は19:00まで) 水曜定休
本屋Title 2階ギャラリー(東京都杉並区桃井1-5-2)